pepe’s blog

雑多な趣味に関して深く浅く広く狭く語るブログです。

旧型ノート PC の高速化(dynabook Satellite B451/D 編)

いまはもう使わなく(使えなく?)なった古いノート PC を安価に高速化して現場復帰させてあげようというプロジェクト。第一回は dynabook Satellite B451/D を取り上げます。

dynabook Satellite B451/D

dynabook Satellite B451/Ddynabook がまだ東芝のものであった時代に販売されていたビジネスノートPCで、企業向け製品としてラインナップされていたモデルです。何故か(どこからか)大量に市場に流出して(通販等で)格安で売りに出されていました。今回改造を行うのは下記のモデルで当時 29,800円で購入したものです。

モデル名 dynabook Satellite B451/D プレインストールOS Windows® 7 Professional 32ビット版
Service Pack 1 適用済み)
Windows® 7 Professional 64ビット版
Service Pack 1 適用済み)
型番 PB451DNBNR5A51 CPU インテル® Celeron® プロセッサー B800
1.50GHz
Model Name. Satellite Pro S750 Series メモリ PC3-10600(DDR3-1333)SDRAM
デュアルチャネル対応
標準2GB / 最大8GB
Model No. PSSERN-05MOOM HDD 250GB HDD(5,400rpm、Serial ATA
製造番号 9B179393H LAN 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T
(自動認識、Wake On LAN対応)
無線LANはオプション

高速化の概要

SSD への換装

dynabook Satellite B451/DHDD はごく一般的な 2.5inch SATA ドライブなので SATA 対応の SSD であれば問題なく換装できます。私は手持ちの 250GB SSD(旧デスクトップで使っていたものを外して保管しておいたもの)を使用しました。

f:id:pepeprism:20200703134625j:plain

左が元々入っていた HDD、右が換装に使用する SSD。固定金具を外して付け替えます。

dynabook シリーズは本体を裏返すと HDD を交換するための蓋があるので、プラスドライバー1本あれば誰にでも簡単に SSD への換装ができます。ここでは詳しい説明は省きます。

メモリの換装

dynabook Satellite B451/D のメモリの仕様は PC3-10600(DDR3-1333)SDRAM です。標準では 2GB しか搭載されていないので、ここでは 4GB ×2枚に置き換えます。デュアルチャンネル対応なので同じ容量のメモリを2枚使用することが重要です。合計 8GB あれば何とか通常の使用には耐えると思います。私は手持ちのメモリ(他のノート PC のメモリ換装で外したもの)を使用しました。

dynabook シリーズは本体を裏返すと メモリを交換増設するための蓋があるので、プラスドライバー1本あれば誰にでも簡単にメモリの換装ができます。ここでは詳しい説明は省きます。

CPUの換装

この記事の山場です。ここからは少し詳しく説明します。

dynabook Satellite B451/D に搭載されているインテル® Celeron® プロセッサー B800開発コード名 Sandy Bridge シリーズの CPU で、チップ表面に SR0EW という記号がプリントされています。詳細な仕様は以下のページを参照してください。

上記ページに記載されている内容で重要なのは、CPU ソケットFCPGA988TDP(熱設計電力)が 35W という点です。換装する CPUSandy Bridge シリーズを使用する必要がありますが、CPU ソケットの形状や TDP にも注意する必要があります。

実際にどの CPU に換装可能であるかは以下のページで調べることができます。

例えば、高速性を追求するためにコアの数が4個のものにしたいと考えて Core™ i7-2720QM を調べてみると、TDP 45W となっており、35W を超えてしまっているので電力不足で正常に動作しません。今回、私はコア数2の Core™ i7-2620M プロセッサーを選択しました*1

CPU 換装の手順

f:id:pepeprism:20200702215131j:plain

換装に使用する Core™ i7-2620M プロセッサー。チップ表面に SR03F の記号がプリントされています。Yahoo オークションや Amazon で中古品を購入できます。

f:id:pepeprism:20200702233255j:plain

高速化を行う dynabook Satellite B451/D

f:id:pepeprism:20200702233813j:plain

dynabook Satellite B451/D を裏返して F8 のマークが付いているビスをすべて外します。この段階ではビスを外すだけです。分解はまだできません。
バッテリーや HDD も外しておきます。
f:id:pepeprism:20200702234207j:plain
f:id:pepeprism:20200702234225j:plain
dynabook Satellite B451/D を表に返してキーボードの上にあるカバーを外します。Amazon 等で販売している分解用の治具を使うと作業が楽になります。

f:id:pepeprism:20200702234503j:plain

液晶パネルの右側のヒンジ(蝶番)の F12 ビスを外します。
f:id:pepeprism:20200702234634j:plain
f:id:pepeprism:20200702234646j:plain
キーボードのケーブル(フレキシブル基板)を外します。

f:id:pepeprism:20200702235023j:plain

液晶パネルのヒンジの左側にある F12 ビスを外します。

f:id:pepeprism:20200702235238j:plain

写真の2つのケーブルをコネクタから外します。

f:id:pepeprism:20200702235344j:plain

dynabook Satellite B451/Dマザーボードの裏面に CPU が実装されているため、マザーボードを取り出す必要があります。外装を上下に分離させ固定ビスを外してマザーボードを取り出します。外装を外すには先に使用したような専用の治具を使うと便利です。
f:id:pepeprism:20200702235709j:plain
f:id:pepeprism:20200702235721j:plain
CPU 冷却ファンを外します。モデルによってヒートシンクの形状が異なるものがあり、ビス止めの箇所や数が写真とは異なる場合があります。ヒートシンクにこびりついた CPU グリスは奇麗に拭き取っておきます。無水アルコールを使うと奇麗に拭き取ることができます。
f:id:pepeprism:20200702235935j:plain
f:id:pepeprism:20200702235952j:plain

CPU ソケットの下部にあるマイナスネジをドライバーで回転させるとロックが外れて CPU を外すことができます。CPU を差し替えたら CPU グリスを塗ります。

以後、分解の際とは逆の手順で元通りに組んでいきます。

性能評価

Windows エクスペリエンス インデックス

Windows エクスペリエンス インデックス を使って性能評価を行います。

f:id:pepeprism:20200703001149p:plain
f:id:pepeprism:20200703001207p:plain
CPU 換装の前後での Windows エクスペリエンス インデックスの比較。

なお、Windows 10 Windows エクスペリエンス インデックスを計測する手順については下記の記事を参照してください。

CPU-Z

最後に CPU-Z を使った性能評価の比較結果を例示します。

f:id:pepeprism:20200703001824p:plain
f:id:pepeprism:20200703001833p:plain
CPU 換装前の CPU-Z による性能評価
f:id:pepeprism:20200703002034p:plain
f:id:pepeprism:20200703002045p:plain
CPU 換装後の CPU-Z による性能評価

商品リンク

*1:私がヤフオクで落札した時の落札額は 3,800 円でした。Amazon での販売額はその2倍程度でした。どちらも最近は価格が高騰しているようです。

Windows 10 で Windows エクスペリエンス インデックスを表示(WEI Viewer)

Windows 7 には PC の性能評価を行う Windows エクスペリエンス インデックスという仕組みがありましたが、Windows 10 になってこの機能はオミットされてしまいました。
Windows エクスペリエンス インデックスは、PC をアップグレードした場合などの性能改善を測る簡単なツールとして便利なものなので、これを Windows 10 でも使えるようにしようというのが本稿の趣旨です。 

f:id:pepeprism:20200702185410p:plain

f:id:pepeprism:20200702185246p:plain

Windows 7 にあった Windows エクスペリエンス インデックスの表示

Windows 10 で Windows エクスペリエンス インデックスを表示する方法

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。具体的には、Windows メニューの右横にある検索欄に cmd と入力して「管理者として実行」を選びます。

    f:id:pepeprism:20200702191628j:plain

    コマンドプロンプトを管理者として実行します。
  2. コマンドプロンプトwinsat formal [Enter] を入力して PC の性能測定を行います。性能評価には若干時間がかかります。最後に「合計実行時間」が表示されたら性能評価は終了です。

    f:id:pepeprism:20200702192007j:plain

    f:id:pepeprism:20200702191949j:plain

    f:id:pepeprism:20200702191958j:plain

    winsat formal コマンドを実行して PC の性能評価が終わるのを待ちます。
  3. C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore フォルダを開いて *.Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml というファイル(* 部分にはファイルを作成した日付等が付きます)が生成されていることを確認します。

    f:id:pepeprism:20200702192533j:plain

    *.Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml(* 部分はファイルを作成した日付等)が生成されます。
  4. Web ブラウザで WEI Viewer のサイト を開きます。

    f:id:pepeprism:20200702192748j:plain

    WI Viewer のサイトを開きます。
  5. WEI Viewer の枠に前述の *.Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml ファイルをマウスでドラッグ&ドロップすると Windows エクスペリエンス インデックス が表示されます。

    f:id:pepeprism:20200702193020j:plain

    Windows エクスペリエンス インデックスが表示されます。
  6. 表示された Windows エクスペリエンス インデックス は画像データとしてダウンロードすることができます。

    f:id:pepeprism:20200702194552p:plain

    画像データとしてダウンロードできます。

商品リンク

[asin:B089KSMC4W:detail] [asin:B086VRFB8V:detail] [asin:B08C1G3Z7H:detail]