エアーソフトガンと改正銃刀法
弾速計
エアーソフトガンは玩具ではありますが、平成 18 年 5 月 24 日公布の改正銃刀法により、一定の基準以上の威力があるものは「準空気銃」として所持が禁止されています。*1
このため、改正銃刀法の公布前に販売されていた製品の中にはそのままでは法に抵触してしまうものがあったり、法に抵触しない製品でもチューンナップ等で基準値を超えてしまうケースもあり、エアーソフトガンを扱う人にとって発射される BB 弾の威力を測定する機器(弾速計)は必須アイテムとなっています。
弾速計ボックス
室内で弾速計を使用する場合、発射された BB 弾が周囲に飛び散らないように何らかのボックスに入れる必要があります。筆者の場合、アカデミー製の折り畳み式のシューティングボックスを購入したのですが、ボックスを構成するネット(網)を BB 弾がすり抜けたり、跳弾がボックスから飛び出して辺りに散らばったりして、とても実用に堪えるものではありませんでした。
そこで、百均ショップやホームセンターなどで購入できる材料を使って、耐久性のある弾速計ボックスを自作しました。本稿では弾速計ボックスの製作方法を解説します。
製作に必要なもの
日本の住居事情を考えた場合、弾速計ボックスを常設できる余裕のある人はそれほど多くないと思われます。筆者の場合も複数の趣味・道楽のために室内や収納のほとんどを使い果たしている状況なので、使わないときは畳んでしまっておける弾速計ボックスを作ることにしました。
外装の素材
弾速系ボックスの外装には軽くて丈夫で分解・組立が簡単にできるものとして、パズルマット(ジョイントマット)を使用することにしました。ダイソーでは一片が 30cm 四方のものが2枚組で 100 円、9枚組で 400 円でそれぞれ販売されています。ダイソーより価格が若干高くなりますが、同等のものがコーナン等のホームセンターや Amazon でも購入可能です。
外装保護 兼 跳弾防止のための内装素材
発射された BB 弾が外装を突き破ったり、跳ね返ってボックスから飛び出したりしないようにボックスの内面に配置するための頑丈で衝撃吸収性に優れた素材が必要です。ググってみたところ衝撃吸収素材としては「ニトリルゴム」が優れているとのことでしたが、近所のホームセンター(コーナン)では取り扱いがなかったため、「NR ゴム(生ゴム)」の板で代用することにしました。
購入したのは、反発弾性・引裂強度にすぐれた NR スポンジゴム(10mm厚)と弾力性に優れた NR ゴムシート(3mm 厚)の2種類です。*2
防音のための内装素材
ボックス内で BB 弾が底面に落下したり底面を転がったりしたときに音が立たないように、防音のための素材としてフローリング用吸着マットを購入しました。
弾速計ボックスの製作
ボックス外装の加工
まず、ボックスの正面のパネルを加工します。正面パネルは弾速計を挿し込めるように中央付近に四角い穴を開けます。穴の大きさは弾速計が入るギリギリの大きさにします。なお、強度維持のため正面パネルは2枚重ねで使用します。同じものを2枚作ってください。また、切り抜いた端材は弾速計を設置するための台として使用しますので廃棄しないでください。
ボックスの組立
正面パネルの加工を終えたらパネルを組み合わせてボックスにします。
ボックス内装の取付
「ピタッと吸着マット」を正面パネルの内幅に合わせてボックス内に収まるようにカットします。このときカットするのは幅だけで長さ方向はカットしないでください。カットしたマットを正面パネル側から合わせて背面パネル側が少し余るように底面に敷きます。
次に、NR スポンジゴムを背面パネルの内幅に合わせてカットしてください。このときカットするのは幅だけで長さ方向はカットしないでください。カットしたNR スポンジゴムを底面に敷いたマットで下端を押さえ込むようにしてボックス内の背面に設置します。
パズルマットを6面組み終えたらボックスの完成です。筆者は強度維持のため底面と背面はパネルを二枚重ねにしました。
試射および改良
弾速計ボックスが完成したので、さっそく試射を行ってみました。・・・が、見事に BB 弾が NR スポンジゴムを貫通してくれました(苦笑)。エアコキのハンドガンで 20 発くらい撃ったところで NR スポンジゴムが破断していました。
NR スポンジゴムは反発弾性に優れているという謳い文句でしたが、短時間に同じ箇所に集中して衝撃が加わると耐えられないようです。10mm の厚さがあっても強度不足でした。
そこで、NR ゴムシートに交換してみようと思いましたが、3mm 厚の NR ゴムシートにどの程度の強度があるか疑問だったのと、衝撃吸収力が弱いと跳弾が起きることが予想されたので、NR ゴムシートと NR スポンジゴムを2枚重ねにして使用することにしました。
具体的には、NR ゴムシートと NR スポンジゴムの一辺(上辺)だけを両面テープで貼り合わせてみました。(全面を密着させるよりも間隙があったほうが衝撃吸収力が高くなるだろうと予測しました。)
NR ゴムシートと NR スポンジゴムの2枚重ねにして 300 発ほど試射をしてみましたが、わずかに打痕が残る程度で問題なく使用できることが確認できました。