今回のテーマは、第二次大戦において日本陸軍がドイツのタイガー戦車(以降、ティーガーⅠと呼ぶ)を購入していたという実話。
日本陸軍がティーガーⅠを購入していた
1943年(昭和18年)、駐独大使・大島浩(元陸軍中将)がドイツ陸軍兵器局と交渉し、同年10月、「ティーガーⅠ」新造車両1台(8.8cm砲弾、機銃弾、無線機、光学装置、整備工具など含む)と設計図一式および組立説明図を645,000ライヒスマルク(当時の日本円換算で約110万円 *1)で購入することが決定されました。
購入したのはティーガーⅠだけではなかった
このとき購入した戦車はティーガーⅠを含む以下の4両でした。
戦況の悪化で届かなかったティーガーⅠ
日本側は国策会社「昭和通商」を通じて代金を支払いましたが(ヘンシェル社による入金確認は1944年2月28日)戦況悪化で輸送不可能となったため、この日本向けティーガー ( シリアルナンバー FG250455 )はドイツ陸軍が貸与という形で使用することとなり、結局ベルギーで編成中だった「第101 SS重戦車大隊」へ供給されました。
関連動画
【おまけ】コミック「ハッピータイガー」のモデル
日本軍のタイガー戦車と言えば、小林源文さんのコミック「ハッピータイガー」が有名です。この漫画に登場するティーガーⅠには車体に上下逆さの「福」文字が描かれています。
実はこのティーガーⅠにはモデルとなった車両が実在します。ハッピータイガーのモチーフになったのは、第2SS装甲擲弾兵師団「ダス・ライヒ」に所属するティーガーⅠで、上下逆さの「福」は「倒福」と呼ばれる中国の招福の印です。この印は横浜の中華街でも見掛けることができます。
【参考】倒福
商品リンク
プラモデル
資料
ハッピータイガーについて
脚注・コメント
*1:現在の日本円に換算すると約22億円(労働力換算で11億円とする説もあり)に相当。