「カメラマンに資格はないので」とエクスキューズなさるカメラマンさんが結構多いのですが、カメラマンにも資格はちゃんとあるのです。ただ、免許制の職業ではないので無資格でも職業写真家になることができるというだけの話です。正しくは「カメラマンに免許はないので」と言うべきですね、はい。



写真に関する国家資格「写真技能士」
写真に関する唯一の国家資格として「写真技能士1級~3級」があります。大判(4x5)および中判(120)のリバーサルフィルムおよび黒白フィルムを使って人物や平面物を撮影し、現像・修正・焼き付け・引き伸ばし・仕上げといった一連の実技を行い、学科試験(ペーパーテスト)に合格した人に与えられる資格です。
写真館を営む職業写真家の方は必ず取得していた資格なので、いまでも地方の写真館にいくと賞状が誇らしげに飾ってあったりします。
デジタル写真に関する国家資格はないけれど...
デジタル写真についてはこの種の国家資格はありませんが、メーカー認定プロや各種の写真家協会(協会員の推薦が必要なもの、アシスタント経験が必要なものなど)がこれに代わるものと言えるかもしれません。
すくなくとも私の周囲でプロ写真家を自称する人は、皆さんメーカー認定プロかつ JPS・APA・写真学会等の会員です。もちろん「写真を生業としていること」はプロ写真家の必須条件です。
主なメーカー認定プロ登録制度
メーカー認定プロ登録としては以下のようなものがあります。
- キヤノンプロフェッショナルサービス(CPS)
- ニコンプロフェッショナルサービス(NPS)
- ソニーイメージングプロサポート
- オリンパスグローバルプロサービス
- ルミックスプロフェッショナルサービス
- ペンタックスサービスプロフェッショナル
- フジフイルムプロフェッショナルサービス
主な写真家協会
写真家協会としては以下のようなものがあります。
- 日本写真家協会(JPS)
- 日本広告写真家協会(APA)
- 日本写真作家協会(JPA)
- 日本写真家ユニオン(JPU)
- 日本スポーツプレス協会(AJPS)
- 日本レース写真家協会(JRPA)
- 日本ゴルフ写真家協会(JGPS)
- 日本スキー写真家協会(JSPA)
- 日本旅行写真家協会(JTPA)
- 日本鉄道写真作家協会(JRPS)
- 日本航空写真家協会(JAAP)
- 日本舞台写真家協会(JSPS)
- 日本専門誌写真記者協会(NSPA)
- 日本写真文化協会(JPC)
- 日本写真館協会(JPSC)
- 日本建築写真家協会(JAPS)
民間資格「フォトマスター検定」
その他、公的資格ではありませんが、文部科学省後援のフォトマスター検定資格という民間資格もあります。1級・準1級・2級・3級の4段階の検定資格のほか、エキスパートクラスという実務経験を必須とした作品提出・小論文による認定資格があります。