検討のための試案・素案を作ることを「たたき台を作る」と記述するメディアが多いが、筆者にはこの表現方法がどうにも馴染めない。
「たたき台」の語源は鍛冶屋が使う道具の「敲き台」だ。敲き台の上で鉄を叩いて形を作っていく(=敲いていく)ことから、良いものを作るために思案検討することを「敲き台にあげる」もしくは「敲き台にのせる」といったのが語源だ。
筆者の場合、学生時代に教師から「たたき台を作ってどうするんだ、たたき台にのせる案を作るのだ」と聞かされていたので、いまだに「たたき台を作る」という表現に馴染めずにいる。
ちなみに「たたき台(敲き台)」を「叩き台」と表記することにも違和感を感じてしまう。「叩き台」でも間違いではないそうだが、なんとなくバッシングを受ける(叩かれる)ための題材のようで、本来の意味(敲かれる)とは異なる気がするからだ。