pepe’s blog

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【よもやま話】新しい酒は新しい革袋に盛れ

 

″ 新しい酒は新しい革袋に盛れ

この言葉は新約聖書の「マタイによる福音書」第九章 および 「ルカによる福音書」第五章に由来するもので、新しい思想や新しい物事はそれにふさわしい新しい形式で律するべきで、いつまでも古い形式にこだわっていてはいけないという教えです。

新約聖書「マタイによる福音書」第九章 16~17節

  1. だれも、真新しい布ぎれで、古い着物につぎを当てはしない。そのつぎきれは着物を引き破り、そして、破れがもっとひどくなるから。
  2. だれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、その皮袋は張り裂け、酒は流れ出るし、皮袋もむだになる。だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。そうすれば両方とも長もちがするであろう。

新約聖書ルカによる福音書」第五章 36~39節

  1. そして、イエスはたとえを話された。「だれも、新しい服から布切れを破り取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい服も破れるし、新しい服から取った継ぎ切れも古いものには合わないだろう。
  2. また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、新しいぶどう酒は革袋を破って流れ出し、革袋もだめになる。
  3. 新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れねばならない。
  4. また、古いぶどう酒を飲めば、だれも新しいものを欲しがらない。『古いものの方がよい』と言うのである。

銀河英雄伝説におけるオーベルシュタインとラングの会話

ラング「政治の実情が少数による多数の支配である以上、安定させるには私のようなものの存在が不可欠でありましょう。」

オーベルシュタイン「秘密警察がか?」

ラング「治安維持のシステムが、です。」

オーベルシュタイン「秘密警察などというものは存在するだけでも一般大衆の憎悪の対象となる。社会秩序維持局は先日解体されたが、その責任者であった卿を処罰するよう求める声も多い。開明派のカール・ブラッケのようにな。」

ラング「ブラッケ氏には氏のお考えがありましょうが、私はただ朝廷に対して忠実たろうとしたのに私利私欲のために権限を行使したことは一度もありません。忠誠心を処罰の対象となさるなら、ローエングラム公ご自身にも決して、良い結果をもたらされますまい。」

オーベルシュタイン「そのローエングラム公もあまり卿らのごとき存在を好んではおられぬようだが。」

ラング「公は元々の武人。堂々たる戦いによって宇宙を征服なさろうとの気概をお持ちなのは当然。しかしながら時として一片の流言は一万隻の艦隊にまさります。公ならびに総参謀長閣下のご賢察とご寛容を期待するものでございます。」

オーベルシュタイン「私などはともかく、ローエングラム公のご寛容に対して卿は何をもってお応えするつもりだ?そこが肝心なところだぞ。」

ラング「それは絶対の忠誠とすべての能力を挙げて公の覇道に微力ながら協力させて頂きます。」

オーベルシュタイン「その言はよし。だが一度解体した社会秩序維持局を復活させるわけにはいかん。開明政策の後退として非難されることにもなるしな。名称をなにか別のものを考えねばなるまい。」

ラング「それなら既に考えております。内国安全保障局、どうでしょう?この名は。よい響きではありませんか?」

オーベルシュタイン「古い酒を新しい革袋にか。

ラング「酒の方もなるべく新しくしたいと存じます。

オーベルシュタイン「よかろう、せいぜい励むことだ。」