ジョシュアツリーの法則 ( Joshua Tree Principle )
ジョシュアツリーの法則( Joshua Tree Principal ) とは、文書のレイアウトデザインに関する有名な解説書である The Non Designer's Design Book の冒頭で紹介されているエピソード *1 で、その内容は以下のようなものです。
Robin Williams 氏 *2 は、自分が住む町の図書館で植物図鑑をたまたま見ているときに、Joshua Tree という名前の木があることを始めて知りました。図鑑に写真入りで解説されているその木は、彼が長く住むこの町では見たことがないものでした。
しかし、Robin Williams 氏は、図書館から自宅への帰り道のいたるところで Joshua Tree を発見します。今まで一度も見たことがないと思っていた木を…。
このエピソードが示しているのは「名前を知った途端に、それが見えるようになる」 というものです。別の言い方をすれば 「名前を知らなければ、その存在を認識しない」とも言えます。
物事や概念には「名前がある(名前を知る)」ことが非常に重要です。名前があることで初めて認知され、他人と共有できるようになるからです。
「千と千尋の神隠し」で湯婆婆に名前を奪われることの意味
スタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」の序盤で、主人公の千尋は湯屋で働くことと引き換えに湯婆婆に名前を奪われて「千」と改名させられるシーンがあります。
後のシーンで、ハクが「湯婆婆は相手の名前を奪って支配する」、「名前を奪われると元の自分を忘れてしまう」と語っているように、名前を奪われるということは人間性や個性といったアイデンティティを失うことに等しいことを示唆しています。