PC のハードディスクのパーティション管理を行う無料のソフトウェアとしては、下記の3種類が良く知られています。いずれも有償版ソフトウェアの一部機能をオミットして非営利のホームユース用として無償提供されているものです。
- MiniTool Partition Wizard 無料版
- AOMEI Partition Assistant Standard
- EaseUS Partition Master Free
このなかでも MiniTool Partition Wizard は多機能かつ高機能で歴史も古く、筆者は MiniTool Partition Wizard Home Edition 5.2 の時代から利用しています。本稿では最新バージョンの MiniTool Partition Wizard 12 *1 について紹介を行います。
なお、前記の各製品の詳細については下記の各リンクを参照してください。
www.partitionwizard.jp
jp.minitool.com
AOMEI Partition Assistant Standard
www.aomei.jp
EaseUS Partition Master Free
jp.easeus.com
MiniTool Partition Wizard 12 無料版では、ディスク/パーティションの管理機能として下記のものを提供しています。
なお、MiniTool Partition Wizard 12 無料版では下記の機能は提供されていません。これらの機能を利用したい場合は有償版(プロ版、プロ・プラチナ版)を購入する必要があります。
- OS を SSD や HDD に移行すること
- OS ディスクをコピーすること
- OS ディスクを MBR から GPT に変換すること
- ブータブルメディアを作成すること
MiniTool Partition Wizard の各バージョンの機能比較を行ったものを以下に掲載します。
バージョン 12.6 で追加された機能
ディスク検査機能
ディスク複製機能
ディスク抹消
ディスク検査検出機能
ブータブルメディア作成機能
動作環境
ここでは、MiniTool Partition Wizard のダウンロードおよびインストールの手順と、実際に MiniTool Partition Wizard を使ってパーティションサイズの変更(縮小および拡張)を行うサンプルを提示します。
- まず、MiniTool Partition Wizard Free のダウンロードを行います。下記のリンクをクリックしてダウンロードページを開きます。*2
MiniTool Partition Wizard 12 無料版ダウンロード ( www.partitionwizard.jp )
- ダウンロードボタンをクリックするとインストールファイルのダウンロードが開始されます。
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ダウンロードが終了するとダウンロード終了ページに遷移します。このページは閉じてしまってかまいません。
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インストールファイルが正常にダウンロードされていることを確認します。 pw12**-free.online.exe という .exe 実行形式のファイルが得られます。
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ダウンロードされた .exe 実行形式のファイルをダブルクリックして起動します。
- セットアップに使用する言語の選択は「日本語」を選んで OK ボタンを押します。*3
- MiniTool Partition Wizard Free(旧バージョンなど)がすでにインストールされている場合はアンインストールを行います。初めてインストールする場合はこのダイアログは表示されません。
- インストールを行うソフトウェアとして MiniTool Partition Wizard Free を選択します。MiniTool ShadowMaker Free は必要に応じて選択してください。
- インストール先フォルダを指定します。ここではデフォルトのままでかまいません。
- すでにインストール先フォルダが存在する場合は警告ダイアログが表示されますが、「はい (Y)」で続行します。フォルダがない場合はこの警告ダイアログは表示されません。
- インストールが開始されます。
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インストールが終了すると終了ダイアログが表示されます。
- インストール終了ダイアログの表示と同時に、Web ブラウザが開いてインストール終了ページが表示されますが、何もせずに閉じてしまってかまいません。
- インストール終了ダイアログおよびインストール終了ページの表示と同時にタスクバーにポップアップ画面が表示されますが、閉じてしまってかまいません。
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インストールが終了したら MiniTool Partition Wizard Free のアイコンをクリックして起動します。
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起動するとメイン画面が表示されます。以前のバージョンにあったようなオープニング画面の表示はありません。
ここでは、筆者のメイン PC であるフルタワー PC のハードディスクのパーティションサイズの変更を実際に行ってみます。
題材
エクスプローラーでドライブを表示すると I ドライブと R ドライブが残量が少ないために赤く警告表示されていることがわかります。そこで、R ドライブの容量を増やすことを題材として話を進めます。
まず、コンピュータの管理で R ドライブを見ると P、Q、R の3つのドライブは1つの物理ディスク(ディスク7)上に配置されたパーティションであることがわかります。
次に、MiniTool Partition Wizard Free を起動して R ドライブのパーティションがある物理ドライブを調べてみるとディスク7ではなくディスク8と表示されていることがわかります。これはコンピュータの管理がディスク0から始まっているのに対して、MiniTool Partition Wizard Free がディスク1から始まっていることに起因します。コンピュータの管理と MiniTool Partition Wizard Free を併用する場合には注意が必要です。
シナリオ
R ドライブの容量を増やすために、その前にある P ドライブと Q ドライブの容量を削って R ドライブに割り当てることにします。具体的には下記のシナリオに沿って作業を進めます。
- P ドライブの容量を 1024GB から 128GB 減らして 896GB にします。
- Q ドライブの容量を 512GB から 128GB 減らして 384GB にします。同時に P ドライブとの間に空き領域ができないようにパーティションの位置をずらします。
- P ドライブおよび Q ドライブを削って作った 256GB の領域を R ドライブに併合(結合)します。
上記のシナリオをそのまま MiniTool Partition Wizard Free に当てはめて操作を行います。
- ディスク8上の P ドライブを選択してパーティション変更メニューのパーティション移動/サイズ変更をクリックします。
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パーティション移動/サイズ変更ダイアログが表示されます。
- パーティションサイズを 896GB に減らして、後の未割り当て領域がおおよそ 128GB になるように設定します。*4
- P ドライブの容量が 896GB に減って、後ろ側に 128 GB の空きができました。
- ディスク8上の Q ドライブを選択してパーティション変更メニューのパーティション移動/サイズ変更をクリックします。
- パーティションサイズを 384GB に減らして、後の未割り当て領域がおおよそ 256GB になるように設定します。
- Q ドライブの容量が 384GB に減って、後ろ側に 256 GB の空きができました。
- ディスク8上の R ドライブを選択してパーティション変更メニューのパーティション移動/サイズ変更をクリックします。
- 前の未割り当て領域および後の未割り当て領域 が 0 になるようにパーティションサイズを増やします。
- R ドライブの容量が 1545.5GB に増えて、前後の空きがなくなりました。
- 以上でシナリオに沿った手順の設定は終了です。この段階では手順の設定を終えただけで実際のパーティションサイズの変更は行われていません。シナリオを実行するためには画面左下にある適用ボタンをクリックします。
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適用ボタンをクリックするとシナリオを実行するかを確認するダイアログが表示されます。シナリオに不備不足がある場合はいいえをクリックすれば操作の修正や取り消しを行うことができます。適用を実行する場合ははいをクリックします。
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はいをクリックするとシナリオの適用が実行されます。実行が終了するまで待ちます。
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適用が終了すると終了ダイアログが表示されます。OK ボタンを押してダイアログを閉じます。
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シナリオに沿って操作が適用されました。
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エクスプローラーで P ~ R ドライブのサイズが変わっていることを確認します。
MiniTool Partition Wizard Free で手順を設定する際に注意すべきことは、MiniTool Partition Wizard Free は手順の最適化は行ってくれないという点です。
無駄・不要な手順、冗長な操作があると、適用時に無駄な処理時間が余計にかかってしまいます。最短・最適な操作手順になるようにシナリオをよく検討する必要があります。
コメント・脚注