pepe’s blog

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直流安定化電源 RockSeed RS305P - リファレンス編

RockSeed RS305P

RockSeed RS305P は RockSeed ブランドで販売されている直流安定化電源です。RS シリーズには RS305P ( 出力電流 0~5A ) と RS310P ( 出力電流 0~10A ) の2モデルがあります。私が所有しているのは RS305P で、2021年 12月に Amazon のタイムセール割引で 5,535 円 ( 通常価格 7,380円 - 割引額 1,845円 ) で購入しました。

RockSeed RS305P と Hanmatek HM305P

Hanmatek 社から仕様や外観、操作方法までまったく同じ HM305P と HM310P が販売されていますが、どちらかが OEM 製品と思われます。

写真左が RockSeed RS305P、写真右が Hanmatek HM305P
RockSeed RS305P と Hanmatek HM305P の前面パネル

本稿では、リファレンス編と題して RS305P の簡易リファレンスマニュアルを提示しますが、この内容は上位モデルの RS310P および Hanmatek 社の HM305P / HM310P に対しても適用することが可能です。

添付アプリのダウンロード方法

RockSeed RS305P / RS310P には製品マニュアルと CD-ROM が添付されています。どちらも会社名やブランドの記載はなく Hanmatek と共用と思われます。CD-ROM には PC にインストールして使用するアプリが含まれています。

製品に添付されているマニュアルと CD-ROM

なお、CD-ROM に含まれているソフトウェアおよび製品マニュアルは下記リンク ( Google ドライブ ) からダウンロード可能です。
drive.google.com

隠しメニュー

RockSeed RS305P には隠しメニュー ( ファクトリーモード ) があります。*1
このメニューは、本装置の診断や本装置をコンピュータと接続する際の通信パラメータの設定に使用されるもので、通常は操作する必要はありません(推奨されていません)。

ただし、シャトルボタンや各種ボタンの操作時に電子音 ( Beep 音 ) を鳴動するオプションは有用 *2 なので、その手順を以下に説明します。

操作音をオンにする

  1. まず、電源がオフになっていることを確認します。(電源がオンになっているときはいったんオフにします。)
  2. つぎに、直流出力ボタンを押したままで主電源スイッチをオンにします。
  3. 電源がオンになると、LED ディスプレイの上段に「Addr」、中段に「001」が表示され、メモリボタンの [M3][M4][M5][M6] が点灯します。
  4. 直流出力ボタンを1回押下すると LED ディスプレイ上段に「bEEP」、中段に「OFF」が表示され、[M4] ボタン が点灯します。
  5. [M4] ボタン を押下すると LED ディスプレイ中段の表示が「On」に変わります。以後、[M4] ボタン を押下するたびにオンとオフが切り替わります。
  6. 設定が終わったら主電源スイッチをオフにします。電源を再投入すると操作音が鳴動するようになります。
  7. 操作に迷った場合は主電源スイッチをオフにして、再度操作をやり直して下さい。

解説動画

youtu.be

RS305P / RS310P 簡易リファレンス

製品に添付されている取扱説明書には日本語訳も掲載されているのですが、翻訳精度のよくない機械翻訳で和訳したようでまったく要領を得ません。また、英文解説を読んでもドキュメントの構成がよくないために非常に分かりづらいものになっています。そこで、操作パネル上のスイッチ・ボタン類および LED ディスプレイ表示について、簡潔にリファレンスマニュアルとしてまとめてみました。

操作パネル

LED ディスプレイ

表示 内容

(上段) 電圧
  1. 直流出力スイッチがオフの時は設定値が表示されます。
  2. 直流出力スイッチをオンにすると出力中の電圧値が表示されます。
  3. 過電圧保護編集モードおよび過電流保護編集モードではモード表示に使用されます。

(中段) 電流
  1. 直流出力スイッチがオフの時は設定値が表示されます。
  2. 直流出力スイッチをオンにすると出力中の電流値が表示されます。
  3. 過電圧保護編集モードでは電圧の表示・設定に使用されます。

(下段) 電力/時間/状態
  1. 直流出力スイッチがオフの時は出力ステータスとして「OFF」が表示されます。
  2. 直流出力スイッチをオンにすると出力中の電力値が表示されます。
  3. リスト機能(自動シーケンス)の使用時は出力時間値(最大 9999 秒)が表示されます。
  4. 電源が保護状態に入ると以下のステータスが表示されます。
    • OVP ( 過電圧保護 )
    • OCP ( 過電流保護 )
    • OPP ( 過電力保護 )
    • OTP ( 過熱保護 )

電源スイッチ

名称・機能 内容

主電源スイッチ
  • 本装置の電源をオン/オフします。

直流出力スイッチ
  1. 主電源スイッチがオンのとき、このボタンを押すと出力端子に電力が供給されます。出力状態がオフのとき赤色、出力状態がオンのとき緑色に点灯します。
  2. 主電源スイッチがオフのとき、このボタンを押したまま主電源スイッチをオンにすると隠しメニューモードが起動します。

シャトルスイッチ・ボタン

名称・機能 内容

[回転] 数値編集
[押下] 桁/項目移動
  1. シャトルスイッチを操作(回転または押下)することでデータ編集モードに入ります。
  2. データ編集モードでは編集中の桁が点滅表示になり、シャトルスイッチを左右に回転させることで値を増減することができます。
  3. 通常のデータ編集モードでシャトルスイッチを押下すると点滅中のカーソルを移動させることができます(カーソルの移動方法は編集項目によって変わります)。
  4. メモリ編集時にシャトルスイッチを押下すると入力項目(電圧、電流、時間)をサイクリックに選択することができます。
  5. 編集モードは [B LOCK] ボタンを押して入力を確定するか、または 5 秒間のタイムアウトで終了します。

カーソル左移動
  • データ編集モードにおいて、点滅しているカーソルを左の桁に移動します。

カーソル右移動
  • データ編集モードにおいて、点滅しているカーソルを右の桁に移動します。

出力電圧編集
  1. [U CV] ボタンを短押しすることで出力電圧の編集モードに入ります。LED ディスプレイの下段に「S--U」が表示され、上段の電圧表示の最下位桁が点滅して編集が可能になります。
  2. 直流出力スイッチをオンにすると設定した電圧が出力端子に出力され、[U CV] ボタン緑色に点灯します。

出力電流編集
  1. [I CC] ボタンを短押しすることで出力電流の編集モードに入ります。LED ディスプレイの下段に「S--C」が表示され、中段の電流表示の最下位桁が点滅して編集が可能になります。
  2. 直流出力スイッチをオンにすると設定した電流が出力端子に出力されます。このとき設定値を超える電流が負荷にかかった場合は [I CC] ボタン赤色に点灯して負荷にかかる電流が設定値に制限されます。

[押下] 入力確定
[長押] 操作ロック
  1. データ編集モードで [B LOCK] ボタンを短押しすると入力値が確定します。
  2. [B LOCK] ボタンを長押し(2 秒以上)するとシャトルスイッチやボタン類がロックされて操作できなくなります(電源スイッチは操作可)。操作ロック中は [B LOCK] ボタンが点灯します。操作ロックを解除するには [B LOCK] ボタンを再度長押しします。

過電圧保護編集
  1. [OVP] ボタンを短押しすることで過電圧保護機能の編集モードに入ります。LED ディスプレイの上段に「OVP」が表示され、中段に過電圧保護設定値が表示されて編集が可能になります。
  2. LED ディスプレイの下段には過電圧保護機能のオン/オフ状態が表示され、[OVP] ボタンを押下するたびにオン/オフが切り替わります。
  3. 直流出力スイッチをオンにすると設定した電圧が出力端子に出力されます。このとき過電圧保護の設定値を超える電圧が負荷にかかった場合は [OVP] ボタン短時間点滅して出力は停止され、LED ディスプレイ下段に「OVP」が表示されます。

過電流保護編集
  1. [OCP] ボタンを短押しすることで過電流保護機能の編集モードに入ります。LED ディスプレイの上段に「OCP」が表示され、中段に過電流保護設定値が表示されて編集が可能になります。
  2. LED ディスプレイの下段には過電流保護機能のオン/オフ状態が表示され、[OCP] ボタンを押下するたびにオン/オフが切り替わります。
  3. 直流出力スイッチをオンにすると設定した電流が出力端子に出力されます。このとき過電流保護の設定値を超える電流が負荷にかかった場合は出力は停止されて、LED ディスプレイ下段に「OCP」が表示されます。

[長押] リスト機能
  1. [List] ボタンを長押し(2 秒以上)すると、リスト機能(自動シーケンス)モードに入ります。このモードでは、設定したタイム スケジュールに沿って、事前に設定された電圧と電流の値をサイクリックに繰り返し出力します。
  2. リスト機能モードに入ると、[List] ボタン青色に点灯して出力がオフになります。
  3. リスト機能モードでは、繰り返し出力したい電圧・電流・時間の組み合わせを [M1] ~ [M6] ボタンの中から1つ以上選びます。初期状態ではすべてのメモリボタンが選択状態になっており、メモリボタンを押下するたびに選択/非選択が切り替わります。選択されているメモリボタンは点灯します。
  4. メモリボタンを押下するとそのメモリに設定されている電圧・電流・時間が LED ディスプレイに表示されます。なお、この状態で各ボタンの設定内容を編集することはできません。各メモリボタンに電流・電圧・時間を設定する方法は [M1] ~ [M6] ボタンの説明を参照してください。
  5. 直流出力スイッチをオンにすると選択されたメモリボタンの設定内容に従って順番に出力が開始されます。出力中は該当するメモリボタンだけが点灯し、LED ディスプレイに電流・電圧・残り時間(カウントダウン)がそれぞれ表示されます。リストの最後に到達するとリストの最初の項目に自動的に戻ります。
  6. 直流出力スイッチをオフにすると出力が停止します。この状態で再び直流出力スイッチをオンにするとリストの先頭に戻って出力が開始されます。
  7. 直流出力スイッチのオン/オフに関わらず [List] ボタンを長押しすると、LED ディスプレイ下段に「OFF」と表示されて出力が停止し、リスト機能モードを終了します。






メモリ選択
  • リスト機能モード以外のときにメモリボタンを押下すると、メモリボタンが点灯して、LED ディスプレイには該当のメモリに設定されている電圧、電流、時間が表示されます。
  • メモリの読み出し
    1. メモリボタンが点灯している状態でもう一度同じメモリボタンを押下すると、LED ディスプレイに表示されている値が出力値として設定されます。
    2. 無操作状態が 5 秒間続くとタイムアウトになりメモリから読み出された値は無効になります。
  • メモリの編集
    1. メモリボタンが点灯している状態でシャトルボタンを押下すると、LED ディスプレイ上のカーソルが電圧 → 電流 → 時間の順に移動します。
    2. カーソルが点滅している状態でシャトルボタンを回すと値を増減することができます。
    3. 設定内容を保存したい場合は [B LOCK] ボタンを押下します。
    4. [B LOCK] ボタンの代わりに点灯中のメモリボタンをもう一度押下することでも設定内容の保存が可能ですが、この場合、メモリの読み出しも同時に行われるために、通常の出力値がメモリの設定内容に置き換わってしまう点に注意してください。
    5. 無操作状態が 5 秒間続くとタイムアウトになり編集内容は無効になります。

*1:RS310P や HANMATEK HM305P、HM310P にも同様の隠しメニューがあります。

*2:デフォルトの設定では電子音は鳴動しないようになっています。